Archive for: 10月, 2021

世界の農業事情から考察する日本の農業の展望
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第204回

10月 22日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに「小澤塾」と名付けた6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、金融庁からバンコック銀行に出向している松村一樹(もとき)さんのレポートをご紹介したい。松村さんには金融監督業務とは全く異なった領域である「農業分野」について一から分析をしてもらった。なお、本レポートにおける考察・分析はあくまで筆者個人の見解によるもので、金融庁及びバンコック銀行としての見解を表すものではありません。

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「地政学」について考える(その4)-米中対立
『視点を磨き、視野を広げる』第55回

10月 21日 2021年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに

米中対立の行方と日本の選択について考えたい。前稿では国際政治学者の佐橋亮著『米中対立――アメリカの戦略転換と分断される世界』を参考にしたが、佐橋は米中国交回復後の過去40年間の米中関係は、米国が主導し中国は受動的であったとする。要約すれば――国交回復後の米国は中国の発展を支援した(「関与と支援」)。その背景には中国への三つの期待(市場化改革、政治改革、国際秩序への貢献)があった。しかし、期待は裏切られ、経済成長を続けた中国は経済力、軍事力で米国に対抗しうる超大国となった。この状況に不信と危機感を抱いた米国は長年の関与政策からの転換を図り、それに反発する中国と対立するに至った――となる。

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新首相・岸田文雄を信用できます?
『山田厚史の地球は丸くない』第198回

10月 15日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

歩き方は、のっしのっし。風貌(ふうぼう)は、端正なお坊ちゃん。印象として、悪い人ではなさそう。でも、この人に国政を任せて大丈夫だろうか。そんなおぼつかなさを感じさせる新首相である。

国会は10月14日、解散した。衆議院選挙は19日に公示され、本格的な選挙戦が始まる。前回から丸4年。有権者はやっと国政に「一票」で参加できる。

 衆議院選挙は政権選択選挙だ。問われるのは「岸田政権を支持するか」。有権者は判断に迷うのではないか。政権の実像がまだはっきりしない。

新首相は国会で所信表明演説を行い、各党から代表質問を受けたが、答弁は紋切り型。予算委員会などで丁々発止の論議はない。なによりも不安なのは、岸田文雄という政治家が、なにを考えているかよくわからない。この首相は、どこを目指し、なにをしようとしているのか。ギラギラした野心は見えない。ただ首相になりたかっただけなのか。政権の核心にモヤがかかったまま、総選挙に突入する。

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論理と数理の偽装結婚
『週末農夫の剰余所与論』第21回

10月 11日 2021年 政治

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

夏野菜が終わり、農園はすでに晩秋になっている。冬支度と来春のための農作業が追いつかない。今年は、梅雨の雑草がいつまでも元気だった。毎年のような異常気象だけれども、そもそも予測不能な気象現象なので、正常気象ということはありえないのだろう。農業が発明される以前の太古から、異常気象との闘いは続いている。おそらく人類は負け組で、植物が勝ち組なのだ。気象現象が予測不能と言ったら、気象学者の真鍋淑郎さんの受賞が決まった今年のノーベル物理学賞の地球温暖化モデルから異論があるかもしれない。しかし、二酸化炭素(CO2)削減の未来予想まで含めれば、やはり未来の気象は予測不能としか言いようがないだろう。

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やさしく理解する世界の水資源問題と日本への影響
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第203回

10月 08日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

はじめに

「人間は水と空気がなければ生きていけない動物だ」と言われる。一方で私たち日本人は「水と空気はただ(無料)だ」と思っている。しかし世界に目を転じると、水が入手できずに生命の危険に瀕している人たちが何億人と存在しているのである。前回第202回のニュース屋台村「正しく理解しよう!CO2問題と日本の立ち位置」(2021年9月24日付)で世界における地球温暖化問題の対応について取り上げたが、水資源問題も世界的には極めて関心の高い課題である。世界的に水資源の枯渇が危惧(きぐ)される中で、日本は果たして無傷でいられるのであろうか? 今回はデータを活用した科学的分析を試みることにより、水資源問題の現状と今後の課題を考えてみたい。

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「人口オーナス時代」の成長率を試算する~年率0.8%超の生産性向上が必要に(4)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第47回

10月 06日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、労働力の「自然減」は今後25年間で全体の約2割に達し、「社会増」で打ち返すのが難しくなると述べた。理由は、①生産年齢人口(15~64歳)の減少加速と、②高齢人口のスローダウンである。少子化の影響は、ついに高齢人口にも及んでくる。

ただし、総人口の減少とともに総需要も縮小するので、「自然減」をすべて埋めなければならないわけではない。問題は、労働力の減少スピードが総人口の減少を凌駕(りょうが)し、労働供給力の縮小が需要を上回る速さで進むことだ。この結果、人手不足が深刻になる。

では、どれほどの「社会増」と「生産性向上」があれば、私たちは子や孫の世代に豊かな社会を引き継ぐことができるだろうか。簡単に試算してみよう。

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分裂の危機・連合から女性会長-労働運動はだれのもの?
『山田厚史の地球は丸くない』第197回

10月 01日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「労働運動のナショナルセンター日本労働組合連合会(連合)は、10月6日に開かれる大会で、3期6年務めた神津里季生会長の後任に、芳野友子副会長(55)を充てる方針を決めた。芳野氏は、ものづくり産業労組連合(JAM)が出身母体、選任されれば連合史上初の女性会長となる」

そんなニュースが9月28日、一斉に流れた。連合の神津会長は知られた顔だが、「芳野友子」という名を知っていた人は、ほとんどいなかったのではないか。

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