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科学的なGAFAとコロナ敗戦国・日本
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第195回

6月 04日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスの第一波感染が世界的に拡大していた昨年7月、京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授が、NHKスペシャルの「人体VSウイルス」に出演されて「このコロナとの闘いは、人間とコロナの戦争になるかも知れません」と語っていたのを記憶している。またコロナウイルスの知見がそれほど世の中に出回っていない頃に、山中教授は既にこうしたことを述べていたのを鮮明に覚えている。併せて、「コロナと闘うためには科学的な思考方法によらなければならない」とも発言していた。私はこのNHKスペシャルを見る前に、スウェーデンの感染学者であるハンス・ロスリングの『ファクトフルネス』(日経BP、2019年1月)を読んでいた。ハンスはその著書の中で感染症の恐ろしさを説くとともに、まだその脅威が完全に克服されていないとしていた。このため私は山中教授の意見にもあまり驚かなかった。

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GAFAの知恵、日本の企業経営者はその経営手法を勉強しよう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第194回

5月 21日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

GAFAとはIT業界に君臨する米国の四つの巨大企業グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取って名付けられた4社の総称である。いまや私たち日本人はこれら4社のサービスなしで生きていくことは考えられない。それほどにこの4社のサービスは私たちの生活の奥底に入り込んでいる。また昨年来、新型コロナウィルスが世界中に蔓延(まんえん)してからは、この4社はますます好調のようである。コロナ禍でこれら4社の業績は伸長しており、旧常態に生きる企業とは対照的な様相を見せている。しかし、これら4社の業績好調の理由は「IT企業だから」というだけでは決してない。その好調な業績の背後で、彼らは極めて科学的で合理的な「勝ちゲーム」を展開しているのである。

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コロナ禍の中で透けて見えるタイ政治の深層
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第193回

5月 07日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスは人々の活動を停滞させる。感染者の飛沫(ひまつ)を短時間浴びただけでコロナに感染する恐れがある。当然のことながら、人々が直接対面する機会は減少する。経済も企業活動も、そして政治までも何も動いていないように見えてしまう。しかし、果たして本当にそうなのであろうか。前回第192回の拙稿「感染急拡大 タイのコロナ狂騒曲」(4月19日付)で、4月に入ってタイでもコロナの感染が急拡大していることを報告した。1か月近く経ってタイ政府もようやくバンコク首都圏、チョンブリ県、チェンマイ県などの計6都県で部分的ロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。タイ全土で、公園を含む娯楽施設や教育施設を閉鎖。デパートや商業施設の営業時間は午後9時まで。飲食店でのアルコール飲料の販売も禁止された。また公共の場でのマスク着用も義務化され、違反者には最高2万バーツ(約7万円弱)の罰金が科せられる。これに加えて、バンコク首都圏など計6都県では飲食店での食事が禁止され、20人以上の会合も禁止された。タイでは1日あたりの感染者数が2000人を超える日も出てきた。人口比で考えれば日本並みのコロナ感染拡大がタイでも起こっていることになる。こうした背景には、タイの政治の変容が少なからず関係しているのではないだろうか。

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感染急拡大 タイのコロナ狂騒曲
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第192回

4月 19日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイの日本人社会に激震が走った。タイの日本人社会のトップである「梨田和也駐タイ日本国特命全権大使(以下梨田大使)が新型コロナウィルスに感染した」というニュースが4月3日に日本人社会を駆け巡った。その後の新聞報道などによると、梨田大使は3月25日に在タイ日本大使館であった行事の後、その出席者たちとともにバンコク市内のナイトクラブで新型コロナウイルスに感染したようである。体調を崩した梨田大使は3月29日にPCR検査を受けて陽性が確定し、4月3日に感染事実が公表された。

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コロナ禍で科学的に生きることの難しさ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第191回

4月 09日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たち現生人類であるホモサピエンスが科学を使い始めてから、実は400年程度しか経っていない。そもそも私たち人類が宗教を始めたのが、今から7万~10万年前だと推測されている。その当時の死者の埋葬跡が見つかり、その埋葬方法から宗教的な儀式が行われた様子がうかがえる。さらに3万年前の洞窟(どうくつ)の壁画から動物を擬人化した絵が見つかり、このころには宗教はすっかり人類の間には定着してきたようである。 記事全文>>

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AI時代を生き抜くためにやるべきこと
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第190回

3月 26日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回の拙稿(3月12日付第189回「AIと人間は何が違う? AIを正しく恐れよう」)で、AI(人工知能)と人間の脳の構造に焦点を当て、それぞれの機能の違いについて私の考え方を説明させていただいた。人間の脳の構造はAIに比べてきわめて複雑であり、非効率な作業を行っている。しかし、こうした非効率性が「分類認識」「因果関係を伴う論理」「創造性」といったAIが持ちえない人間独特の能力をつくり出している。一方で、脳構造の非効率性ゆえに「大量データ保有」や「計算速度」については、人間はAIにかなわない。現在のAIは、人間と「似て非なるもの」なのである。 記事全文>>

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AIと人間は何が違う?-AIを正しく恐れよう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第189回

3月 12日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

コンピューターの発達が急速な勢いで私たちの生活の変化をもたらしている。日本では最もなじみの深いITメーカーであるアップルを例に取れば、同社が最初にアップル・コンピューターを販売したのが今から約50年前の1976年。その後、飛躍的に半導体技術が進化し、コンピューターの高度化、小型化が進行。さらに2000年代に入り、インターネット技術が急速に民間に普及し始める。 記事全文>>

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本当に大丈夫?日本の少子化対策
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第188回

2月 26日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに「小澤塾」と名付けた6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、小澤塾を昨年卒業した佐久間絵里さんのレポートをご紹介したい(注=本文中の図表は、その該当するところを一度クリックすると「image」画面が出ますので、さらにそれをもう一度クリックすると、大きく鮮明なものを見ることができます)。 記事全文>>

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あなたは誰かに操られている?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第187回

2月 12日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

年をとるのは寂しいものだ。過去の記憶がどんどん曖昧(あいまい)なものになっていく。数年前のことである、日本出張した際、安倍前首相と習近平中国国家主席の会談をどなたかとテレビで見ていた。その時一緒にテレビを見ていた方が、私に次のようなことを言われた。「中国や米国は、首脳会談があると画像認識装置を使って相手が何を考えているか分析します。今回も中国は安倍首相の顔の動きから日本が何を考えているか分析しているはずです。ところが日本はそうした分析を全く行っていない。これでは日本は他国との外交戦争で勝てるわけがありません」。いつの日中首脳会談であったのか? また、どなたが私に対してこうした事を言われたのか? 恥ずかしながら私は全く思い出せない。ただ妙に、こう言われたことだけが私の記憶に残っていた。 記事全文>>

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日本の港湾の国際的地位を取り戻すために
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第186回

1月 29日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

 

四方を海に囲まれた島国日本では地理的優位性を利用して、各地に港が設けられ、外国あるいは国内の地域間を海上輸送で結び、長い間日本の経済活動を支えてきた。1980年は神戸港をはじめ、日本の港湾は世界の中でもコンテナ取り扱い個数で上位にランクインしていたが、2018年には日本の主要な港湾は全て20位以下にまで順位を下げてしまった。また、取り扱い貨物量ランキングにおいても同様に、現在は日本の港湾は上位にランクインすることができていない。日本の港湾の地位低下は物流コストの上昇を通じ、日本の製造業に深刻な影響を及ぼしていると思われる。なぜ世界の物流市場において、日本の港湾の国際的地位は低下してしまったのであろうか。今回は日本の港湾業の問題点を探るとともに、その解決に向けての提言を行っていきたい(注=本文中の図表は、その該当するところを一度クリックすると「image」画面が出ますので、さらにそれをもう一度クリックすると、大きく鮮明なものを見ることができます)。 記事全文>>

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