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Google Gemini実況中継(その1)
「帝国」の逆襲
『みんなで機械学習』第66回

7月 09日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆「Google帝国」の逆襲

前稿第65回(「IBMクラウド実況中継(その3) 生成AIがバカすぎて」https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-148/#more-22431 )は「新たなデータの世界を探索するデータAIが、データ文明の入り口になるのか、生成AIが近代文明の言語資産を消費し尽くして衰退するのか、近未来への岐路は論理的ではなく、少なくとも4次元以上の高次元空間の想像力で、多数の入り口と出口を発見して冒険する必要がありそうだ」と結んだ。

生成AI(人工知能)の能力が急速に進化していて、人間を超えるASI(人工超知能)の出現が目前であることは、ソフトバンクの孫正義社長に教えていただかなくても「みんなの」実感に近い。前職で、創薬における技術革新を担当していた時に、自社の研究者や経営者にインタビューして、未来予測のありかたを考えたことがある。技術革新の方向性については、「みんなの」予想がほぼ一致していた。技術革新が実現する時期は、おおむねオプティミスティックだった。文化的に背景が異なる東洋医学などの未知技術については、「みんなの」予感は、まさにジョーカー(期待されない切札)でしかなかった。 記事全文>>

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夏越の大祓と茅の輪くぐり
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第20回

6月 26日 2025年 国際, 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

一年のうちで日照時間が最も長くなる夏至(今年は6月21日)が過ぎて、今年もまもなく折り返し。私が住む街のお宮さんでも、30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」の神事を控え、夏至の日から境内に「茅の輪(ちのわ)」が設けられている。

今年前半の罪や穢(けが)れを清めて災厄(さいやく)を払い、今年後半もまた無事に過ごせるように、と祈りながら毎朝夜明け前、茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径1.8メートルほどの輪を左回り→右回り→左回りの順で計3回またいでくぐり、本殿にお参りする。

午前3時半すぎの境内は人気(ひとけ)がなく文字通り神聖で、家族一人ひとりの顔を思い起こしながら柏手を打つと心が落ち着く。コロナ下の在宅勤務をきっかけに始めた夜明け前ウォーキング。その途中のお参りはいまや生活の一部になった。定年退職後の日々の生活は極めて単調だが、So far, so good.  心身ともにまずまず順調で、ストレス皆無の生活にいまだに思わずひとりほくそ笑むことさえあり、飽きはまったく感じない。 記事全文>>

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IBMクラウド実況中継(その3)生成AIがバカすぎて
『みんなで機械学習』第65回

6月 25日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆生成AIがバカすぎて

過去記事(『みんなで機械学習』第59回、https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-142/)を引用する。「『店長がバカすぎて』(早見和真、角川春樹事務所、2019年)は、書店を舞台とする大衆小説だ。小説の劇中劇を巧(たく)みに構築して、社長がバカすぎてから、自分自身がバカすぎてまで、スケーリング則により、小説の作者も含めて、みんながバカすぎる生活を、愛と希望で描いている。大統領がバカすぎてでも、裁判長がバカすぎてでも、スケーリング則は普遍的に成立する」……と訳のわからない文章を書いた。生成AI(人工知能)も、バカすぎるぐらいがちょうど良いのかもしれない。生成AIの劇中劇は興味深い。 記事全文>>

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SNS・ブログ・動画各クリエーターは注意!!
【著作物の写り込み】と著作権の法律問題
『企業法務弁護士による最先端法律事情』第20回

6月 16日 2025年 社会

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北川祥一(きたがわ・しょういち)

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所(当時名称:曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大手企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野にも注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(日本加除出版、2021年)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(日本加除出版、2020年)、『即実践!! 電子契約』(共著、日本加除出版、2020年)、『デジタル法務の実務Q&A』(共著、日本加除出版、2018年)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年、2024年、2025年)などがある。

1.写真や動画に写り込んだ著作物の法律問題

動画制作、SNS・ブログ記事作成において写真や動画を撮影した際、背景に意図せず、あるいはどうしても排除することができずに、キャラクターなどが描かれているポスター、洋服などが写り込んでしまうことがあります。
各クリエーターの方々においても、何となく「大丈夫なのかなあ?」などと気になっていることも多いと思います。また、事実上何も請求されていないからいいやと検討をやめてしまっていることもあるのではないでしょうか?
今回はその、気になる著作権の問題について解説します。 記事全文>>

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放送局の企業体質 私の体験的感想(下)
『山田厚史の地球は丸くない』第290回

6月 13日 2025年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

入社した1971年は、M放送にとってテレビ開局30年の節目だった。10月には数々のイベントが予定され、制作の現場では「特別番組」の企画が進んでいた。私も「アシスタントディレクター」として、特番チームの末端に加わった。

テレビ業界で「アシスタントディレクター」は、「エー・ディー(AD)」と呼ばれ、タレントの送迎、飲食の手配から小道具の手配、カンペ(看板ペーパー=タレントやアナウンサーの発言表示)出し、など「制作現場の下働き」を一手に引き受ける。ほとんどは下請けの制作会社の人たちで、「奴隷労働」などと呼ばれていた。そんな中に若手の正社員は別格の「ディレクター見習い」として参加し、経費計算など担当する。 記事全文>>

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IBMクラウド実況中継(その2)
『みんなで機械学習』第64回

6月 09日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

IBMクラウドの概要

前回の「IBMクラウド実況中継(その1)」(『みんなで機械学習』第63回、https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-146/ )では、SPSS Modelerを早く使ってみたいと先を急いだので、IBMクラウドについては、ユーザー登録の実況中継だけで、肝心のIBMクラウドというサービスの全体像は説明していなかった。実際には、IBMクラウドのサービス内容が膨大であるため、現在でも全体像はよくわからない。現時点でIBM Cloudカタログには、264製品が登録されている。

IBMクラウドで提供される製品カテゴリー別では、計算(49)、コンテナー(13)、ネットワーキング(34)、ストレージ(27)、エンタープライズ・アプリケーション(10)、AI/機械学習(28)、分析(15)、データベース(18)、開発者ツール(18)、ロギングおよびモニタリング(5)、マイグレーション(21)、統合(14)、セキュリティー(33)、モバイル(5)で、合計290となる。製品カテゴリーには多少の重複がある。AI/機械学習カテゴリーの製品では、IBM社が17製品、IBM以外が11製品ある。 記事全文>>

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総監・長官 腹を切って謝罪を!
大川原化工機冤罪事件
『山田厚史の地球は丸くない』第289回

5月 30日 2025年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

大川原化工機株式会社(以下、大川原社・本社横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件の民事裁判の2審で東京高裁が5月28日、厳しい判決を下した。液体を粉末にする噴霧乾燥機を製造・販売している中小企業が、細菌兵器に転用できることを承知で、機械を中国に輸出した、と社長ら3人が逮捕された事件である。

身に覚えがない容疑を認めなかった3人の収監は11か月に及んだ。技術担当顧問だった相嶋静夫さんは、過酷な取り調べの中でがんを発症し、冤罪が晴れないまま死亡した。自供しなければ保釈しないという「人質司法」の犠牲者である。

過酷な取り調べをさんざんしておきながら、警視庁は逮捕から1年4か月で突然、起訴を取り下げた。初公判の4日前だった。法廷で容疑を立証することは困難と判断したからである。この時点で公安警察の失態は明らかだった。公判も維持できないような事件に警察庁長官賞を与えていた。それが根本から崩れたのである。 記事全文>>

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IBMクラウド実況中継(その1)
『みんなで機械学習』第63回

5月 28日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

SPSS Modelerで機械学習

IBMクラウドに登録すれば、高度な機械学習を無償で使い始めることができる。IBMクラウドのAI(人工知能)ビジネスは、watsonxにまとめられていて、複数のサービスがあるけれども、最初はwatsonx.aiを選択するとよい。

watsonx.aiでは、SPSS Modeler、Pythonの開発環境やLLM(大規模言語モデル)など、とても充実していて、急速に発展している。初心者にとって、機械学習を無償で学習するサービスとしては、SPSS Modelerがお勧めだ。サンプルデータを含むサンプルプログラムも10個程度提供されている。 記事全文>>

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放送局の企業体質 私の体験的感想(上)
『山田厚史の地球は丸くない』第288回

5月 16日 2025年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「中居クンの性暴力」に端を発し、フジテレビの企業としてのあり方が問題になっている。「面白くなければテレビじゃない」に象徴される企業風土、芸能界との癒着、日枝久取締役相談役への権力集中など、かなりユニークな会社に見えるが、放送局という業種の企業体質を煮詰めたような会社だと思う。

私は、社会人になって最初の職場は放送局だった。わずか半年だったが、とても刺激的な日々で、ここにいたら人生おかしくなってしまう、と感じることさえあった。「今や昔」の話だが、体験の一端を紹介し、放送局を考えてみた。 記事全文>>

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reパーソナルヘルスケア(renormalized personal healthcare)
『みんなで機械学習』第62回

5月 14日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆データ論の到達地点

人工知能(AI)はデータと電力を食べて生きている。筆者は50年間、医薬品の研究開発現場でデータを生活の糧としてきた、データを食べるAIの祖先のようなものだ。もう若くはないデータ人として、近未来のデータ文明が、少なくともディストピアとはならないように、筆者なりの「データ論」を連載して、その出発点と到達点をまとめてみた(『みんなで機械学習』第60回)。

哲学的な意味でのデータ(data)は、ラテン語・イタリア語のdare(与える)を語源として、所与または与件と解釈される。データサイエンスの実務では、データベースの変数を定義した時に、その変数に入力される値(データ)であって、データが無い場合(欠測値)もありうる。 記事全文>>

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