引地達也(ひきち・たつや)
仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。
◆メディア出身というもの
小渕優子経産相、松島みどり法相が10月20日、辞任した。「観劇会」と「うちわ」というどちらも柔らかい顔を持つ有権者との接点に絡む「政治とカネ」の問題が追及され、どちらも大臣であること以前に政治家であることへの「経済面での」自覚が足りず、大臣室からの退場に追い込まれた。
つまり、有権者との関係に金銭を介在させないこと、への徹底した自覚が欠如し、そして自らの給与、そして政党助成金の交付、税の優遇措置など、自分が国家からお金で護(まも)られている、という認識が甘かった。なぜ、自覚がないのか。その問いを考えたときに、2人の出身と私の強い実感を伴った実体験が重なってくる。キーワードは「メディア出身」である。