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言葉への執着心と矜持
『読まずに死ねるかこの1冊』第9回

3月 28日 2014年 文化

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間120冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

「滝のトイレは向かって右側にあります」

もうずっと前のことだが、8年ぶりに帰国してJRの最寄りの駅で降りてトイレに行こうとしたら、自動音声でこんなやさしい女性の声のアナウンスが流れてきた。
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日本の常識、外国では非常識
『時事英語―ご存知でしたか?世界ではこんなことが話題』第1回

3月 28日 2014年 文化

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SurroundedByDike(サラウンディッド・バイ・ダイク)

勤務、研修を含め米英滞在17年におよぶ帰国子女ならぬ帰国団塊ど真ん中。55歳で銀行退職、外資系法務、広報を経て現在証券会社で英文広報、社員の英語研修を手伝う。もともと中身の劣る脳の退化防止にはさほどの意義を認めず、せめて足腰だけはと、ジム通いと丹沢、奥多摩の低山登山を心掛ける。

◆奇想天外、冷凍死体男祭り

会社の海外派遣研修のプログラムで英語を教えている立場から日頃、Reading あるいはListeningのClassの教材に使うべく 海外メディアの記事、放送をフォローしている。業種柄、金融・経済関連が中心になるのだが、時には参加者の興味を引くため日本の新聞などではあまり取り上げられない奇抜、破天荒な内容のものも選んでいる。

そのなかで私の選ぶ極めつけはやや古きに失するのだが、米紙New York Times 2011年6月18日付の「Frozen Dead Guy Festival for Sale」という記事だ。米コロラド州デンバーから北西へ車で1時間ほどの場所にあるネダーランドの村おこしの話。人口1500人のこの村に10年以上続く奇祭についてである。
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BGMの落とし穴
『トラーリのいまどきタイランド』第5回

2月 21日 2014年 文化

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トラーリ

寅年、北海道生まれ。1998年よりタイ在住。音楽やライブエンターテインメント事業にたずさわる。

数カ月前のある夜、バンコク市内にある日本人オーナーのレストランで実際に起きた出来事である。

レストランの閉店間際に数人の警察官が突然入り込んできた。彼らは「店内で流しているBGM(バックグラウンドミュージック)が著作権違反行為だ」と言い、タイ人の女性マネジャーから事情聴取するため署に連行し、罰金5万バーツ(1バーツは約3.2円)を請求した。オーナーは署に駆けつけて罰金の値引き交渉をし、最終的に3万5千バーツまで引き下げ、その場で現金を支払うことでマネジャーは解放された。支払いの際に手渡されたのは、タイ国内にある著作権管理団体名義の「5千バーツ」という金額が記載された一枚の領収書であった。証拠のない3万バーツは彼らのポケットに消えたというわけだ。
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荷風の時間
『教授Hの乾坤一冊』第13回

2月 07日 2014年 文化

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教授H

大学教授。専門は環境経済学および理論経済学。政府の審議会の委員なども務める。「知性は、セクシーだ」が口癖。趣味は鉄道(車両形式オタク)。

先日、ふとある新聞のコラムに目が止まった。有名な女性バイオリニストが書いているコラムで、「待てない」という見出しだった。待つことが苦手な彼女は、レストランで料理が来るまでの時間が長いのが耐えられない。ヘアサロンでシャンプーやカットが遅いのが耐えられない。彼女にとって物事は速やかに進まなければならない。現代流のバイオリニストだ。

そんな人に薦めたい本がある。それは、高橋英夫著の『文人荷風抄』(岩波書店、2013年)である。文豪永井荷風の大著『断腸亭日乗』から3つの要素を抜き出し、荷風を描き出している。忙しい現代人の心を癒やすのにもってこいの本だ。この本を読むと荷風がいかに時間を豊かに使ったかがわかるからだ。そして読者もその「おこぼれ」に預かることができる。
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圧倒される丹念な取材と子細な描写
『読まずに死ねるかこの1冊』第8回

1月 24日 2014年 文化

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

第150回芥川賞・直木賞がさきごろ発表された。節目を迎えたこれら二つの賞について新聞各紙はこぞって特集を組んで紹介した。ただし、受賞作だからといって必ずしも読者の支持が高いとはいえないほか、作家の中には受賞作以外にこれといった作品が見当たらず「一発屋」みたいなところもあって、僕は関心はあるものの受賞作を直ちに読んだことはない。そして残念ながら、ずっと後になって読んでみて、期待を裏切られることも少なくない。

特に近年の受賞作は表現も内容もよく理解できないものが多く、とりわけ芥川賞については、「芸術性」なるものを重んじるあまり、ついていけないような作品が多い。文芸評論家の市川真人早稲田大学准教授は2014年1月11日付の朝日新聞紙上で、両賞について「芸術性と大衆性のせめぎあう地点にある」と解説していたが、近年の受賞作をみていると、年々その傾向は強まり、大衆性よりも(一般の読書家には理解できないような)芸術性のほうが重視されているようだ。
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中間層を狙う「ローソン108」
『トラーリのいまどきタイランド』第4回

1月 24日 2014年 文化

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トラーリ

寅年、北海道生まれ。1998年よりタイ在住。音楽やライブエンターテインメント事業にたずさわる。

バンコク都内にある「ローソン108」の大型店舗に先週、初めて足を踏み入れた。高架鉄道BTSのチットロム駅に直結するマーキュリーヴィレ1階に昨年9月にオープンした店舗だ。

ローソン108は、日本のローソンが「タイの消費材王」と称されるサハグループと提携し、昨年3月末にタイに出店を果たした。初めの3店舗はサハグループが運営する小型店舗「108」をリニューアルオープンし、その後、半月に1店舗のペースでバンコク都内のオフィルビルなどに出店、現在バンコク都内で28店舗に至っている。
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新しい農業スタイルが見えてきた!
『教授Hの乾坤一冊』第12回

12月 27日 2013年 文化

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教授H

大学教授。専門は環境経済学および理論経済学。政府の審議会の委員なども務める。「知性は、セクシーだ」が口癖。趣味は鉄道(車両形式オタク)。

初めから告白してしまうと、これから紹介する本の著者は、私のゼミの卒業生である。このことを書こうかどうか迷った。だが後からフェイスブックなどで関係が知れて、「なーんだ、だから書評に取り上げたのか」などと言われたら面白くない。私は著者を知っていようがいまいが、良い本と思えば『ニュース屋台村』に取り上げる、それまでのことなのだ。

さてその本とは、久松達央著の『キレイゴトぬきの農業論』(新潮新書、2013年)である。著者は、一度は大手繊維メーカーに就職したものの有機農業に一大転身を図るというユニークな経歴の持ち主だ。ずぶの素人から農業を始め、今では立派な主業農家として自立した。茨城県土浦市を拠点に年間50品目以上の有機野菜を栽培し、自らが代表を務める「久松農園」の会員に直販している。ビジネスは大はやり、大成功だ。
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ワンアジア・ジョイントコンサート
『トラーリのいまどきタイランド』第3回

12月 20日 2013年 文化

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トラーリ

寅年、北海道生まれ。1998年よりタイ在住。音楽やライブエンターテインメント事業にたずさわる。

バンコク都内「アクサラシアター」で12月8日に開催されたAUN J クラシックオーケストラによるワンアジア・ジョイントコンサート。鳴り止まぬ拍手喝采のなか、その幕を閉じた。

AUN J クラシックオーケストラは、邦楽界で活躍する若手の和楽器奏者が集まり、世界へ向け、シンプルでスタイリッシュに日本文化と和楽器の素晴らしさをアピールする音楽ユニットだ。双子の井上公平・良平で構成される和太鼓・三味線ユニット「AUN」がこのオーケストラのリーダーを務める。彼らは昨年、日本の文化交流使としてタイ、ラオス、ベトナム、カンボジアで全29公演、1万名以上を動員した実績を持つ。
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異文化を受容する優しいまなざし
『読まずに死ねるかこの1冊』第7回

12月 13日 2013年 文化

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

もう30年以上も前の話だ。ルー・フィン・チャウという女性アイドル歌手がいた。谷村新司作詞・作曲の「スター誕生」という曲で1982年12月24日のクリスマスイブにデビューし、翌年12月に芸能界から突然姿を消した中国系ベトナム人の難民出身の歌手である。

彼女は、両親と弟とともに80年に来日し当時、神奈川県大和市に開設された大和難民定住促進センターで生活を始めた。父はサイゴン(現在のホーチミン)の高級クラブ、マキシムの舞台芸術監督、母は舞踊家。そんな環境もあってか、チャウは来日してまもなく、日本の芸能界に憧れを抱くようになった。
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パリの街散歩―上を向いて歩こう
『タマリンのパリとはずがたり』第2回

12月 13日 2013年 文化

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玉木林太郎(たまき・りんたろう)

経済協力開発機構(OECD)事務次長。35年余りの公務員生活の後、3度目のパリ暮らしを楽しむ。一万数千枚のクラシックCDに囲まれ、毎夜安ワインを鑑賞するシニア・ワイン・アドバイザー。

「建物は所有者に属するが、その正面(ファサード)は全ての人のものだ。」とはヴィクトル・ユゴーの言葉らしいが、パリの街を歩けば建物の壁にはめ込まれたプレートがやたらに目につく。先日も場末の変哲もない道の変哲もないホテルの壁に「周恩来が1922年から24年までこの建物に住んだ」と彫像入りで立派なプレートがあるのを見つけた。当時この建物に在欧州の中国人青年の共産主義組織(旅欧中国少年共産党)の本部が置かれ、その機関誌の印刷を若き鄧小平が担当して「ガリ版博士」とあだ名をつけられていたそうな。

パリに来てすぐのころ、パンを買いにサン・ジェルマン・デ・プレ界隈を歩いていたら、とあるバールの脇の扉に小さめのプレートがある。近寄ってみると≪リシャール・ヴァグネールここに住む、1841年10月30日から1842年4月7日≫と読める。おお、ワグナーの失意のパリ滞在(1839年から)の最後の住処(すみか)はここか、と大いに感じ入った。
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