哲学者が考えたテロリズムのイメージ、空震とは
『WHAT^』第4回

3月 14日 2018年 文化

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

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ドイツの哲学者ペーター・スローターダイク(1947~)はテロリズムの源泉を第1次世界大戦の毒ガス兵器に見いだし、ナチスのガス室によるユダヤ人殺戮(さつりつ)、オウム真理教の地下鉄サリン事件、米ニューヨークの世界貿易センタービル破壊へと、テロリズムの発展を『空震―テロの源泉にて』(御茶の水書房、2003年)で論考している。地震よりも恐ろしい空震の概念を哲学的に探究している。しかし、サルバドール・ダリの潜水服による講演から始まるアートと空気の論考には作品論が無い。空震をイメージとして作品化するアートはテロリズムへの免疫となるだろう。

テロリズムに限らず、AI(人工知能)技術の未来など、ヒューマニズムの極北を南極からの視点で考えてみよう。ロボット警察やロボット越冬隊が実現できたとしても、ヒューマニズムへの信頼は戻ってこない。人が破壊しているのは地球環境だけではなく、人そのものでもある。大衆化するメディアは空気を操作できても、空気を味わう食事を作れない。

私たちは暴走するテロリズムの世紀に生きている。均一化する空気に包まれた世界では、AI技術がテロリズムを加速する。言論空間を折り畳み、ランダムに多層化した世界でAI技術が人と共存できるのであれば、テロリズムの源泉を封印できるかもしれない。植物が地中で菌類と共生しているように、大地を耕して生きてゆきたい。

WHAT^(ホワット・ハットと読んでください)は何か気になることを、気の向くままに、写真と文章にしてみます。それは事件ではなく、生活することを、ささやかなニュースにする試み。

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