北見 創(きたみ・そう)
日本貿易振興機構(ジェトロ)カラチ事務所に勤務。ジェトロに入構後、海外調査部アジア大洋州課、大阪本部ビジネス情報サービス課を経て、2015年1月からパキスタン駐在。
パキスタンでは携帯電話の利用者数はここ10年で格段に増え、安価なモバイル・ブロードバンドの普及が進んでいる。2000万人がインターネットを利用する時代が到来している。
◆1億2000万人が携帯電話を利用
パキスタンの1億9000万人の市場は、食品やオムツといった消費財も有望だが、通信サービスも非常に期待のもてる市場だ。他国と同様、パキスタンにおいても通信環境の整備が進んでおり、携帯電話、インターネットの普及はめざましいものがある。
携帯電話の契約者数は2015年9月時点で1億2094万人となっており、普及率は63.3%となっている。 北西部のペシャワルで2014年12月、軍系列の学校をイスラム過激派の反政府武装勢力が襲撃して銃を乱射し、児童や生徒ら141人が殺害された事件を受けて、携帯電話の犯罪利用の抑止を目的に、SIMカードの指紋と国民番号の登録が義務付けられたため、一時的に減少はしているものの、都市部の成人であれば誰でも持っていると考えて差し支えないだろう。
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