п»ї すり替えられた「就業規則」『実録!トラブルシューティング』第7回 | ニュース屋台村

すり替えられた「就業規則」
『実録!トラブルシューティング』第7回

3月 06日 2015年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、タイ人従業員の労務関係のトラブルについてご紹介させていただきます。タイでは、労働者は「労働者保護法」によって守られています。その名の通り、労働者を保護するための法律で、条文自体が日本の労働基準法と比べて著しく労働者に有利になっています。また、日本にはない「労働裁判所」があり、労働者は無償で提訴できる上に、7日間という短期間でスピード判決が出されるケースも珍しくありません。

就業規則については、従業員を10人以上雇用した時点でタイ語の就業規則を区役所労働衛生課に届出、内容審査を受ける必要があります。

会社設立の時点での準備が肝要です。内容の変更には、日本と違い全従業員の同意、または労働組合がある場合は組合の長(委員長)の同意が必要となります。そのような背景から、弊社では労働者保護法を遵守(じゅんしゅ)しながらも最大限会社側に有利となるような形でひな形を用意し、少しずつ条件を緩和して労働者の志気を高める手段の一つにして頂くようにアドバイスをしています。

さて、弊社の就業規則のひな形によって、タイ語での就業規則とその日本語訳を用意していたE社さん。対策は万全のはずです。別件でのご相談のついでに「そういえば最近退職する従業員に関する相談です」と、取り出してきたタイ語の就業規則を確認したところ、何だか違和感があります。

なんと、設立当時に準備していた弊社のひな形とは全く違うものが机の上に載っています。いつからすり替わっていたのでしょうか。タイ語なので内容が分からないのは致し方ないとして、条文の数字の表記などもご丁寧にアラビア数字ではなく、タイ語での表記になっています。例えて言うならば、日本語の就業規則で「第壱条」「第弐条」となっているようなものでしょうか。全くもって確信犯です。ちなみにタイ語の数字表記は、以下の通りとなります。どの部分が何を指しているのかすら分からない状態です。

1๑2๒3๓4๔5๕6๖7๗8๘9๙


◆従業員以外のタイ語の分かる人に相談するのが得策

誰がどこで作成したのか、どんなタイミングで弊社のひな形と差し替えられてしまったのでしょうか。

詳細は今でも不明です。内容を確認してみると、「妊婦は自由に自分の職種を指定することができる。」「夏休みの繰り越しは期限なし。退職時に未消化分は休日勤務料金で買い取り。」など、勝手な条文のオンパレードです。

これらはすぐに弊社で、就業規則を再作成の上、従業員全員分の同意を取り付け無事に変更することができました。油断も隙もありません。こうなると何に気をつければいいのか、よく分からなくなってきますが、少しでもおかしいと思うことがあれば、タイ語の分かる従業員以外の方にすぐに相談するのが確実です。

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