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Archive for: 2019

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「格差と貧困」という視点:「社会保障改革について」その1
『視点を磨き、視野を広げる』第32回

7月 17日 2019年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

本稿の狙い

前稿まで5回にわたって日本の格差と貧困の現状をみてきたが、今回から格差・貧困対策としての社会保障のありかたについて考えてみたい。現在行われている参議院議員選挙では、社会保障が最大の争点となっている。老後資金「2000万円」問題をきっかけにして、野党は年金を始めとする社会保障の拡充を主張して与党を批判している。各政党の公約をみると、与党も含めてすべての党が具体的な政策を列挙して社会保障の充実を訴えている。それでいて今回の消費税増税に賛成しているのは与党2党だけであり、野党はすべて反対(凍結含む)している。しかし財源をどうするのかについて、野党の公約を見ても説得力のある答えは見当たらない(*注1)。選挙受けする社会保障給付の増加を並べて、不人気の増税は先送りにするという姿勢が見てとれる。一方自民党は、消費税増税を「全世代を対象とする社会保障の充実」と「財政再建」に充てるとしており(*注2)、社会保障の持続性に配慮している点は野党よりまだ救いがある。 記事全文>>

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ウイルスの数学、デジタル位相の音楽
『WHAT^』第18回

7月 16日 2019年 文化

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

『ビジュアル数学全史-人類誕生前から多次元宇宙まで』(クリフォード・ピックオーバー、岩波書店、2017年)は紀元前1億5000万年にさかのぼり、アリの計数能力から物語が始まる。本の画像は、『ウイルス図鑑101』(マリリン・J・ルーシンク、創元社、2018年)からラルストニアファージφRSL1の電子顕微鏡画像を切り出して、合成して作成した。ウイルスは正20面体の構造をもつものが多く、世界で2番目に美しい数式といわれるオイラーの多面体公式を表現しているのだから、間違いなく最古の幾何学者だ。そして数学全史は数学的宇宙仮説「われわれの世界のすべてのものは、あなた自身を含め、純粋に数学的な存在だ」によって締めくくられる。「あなた」を「ウイルス」と読み替えるほうが数学全史にはふさわしいだろう。 記事全文>>

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障がい者雇用で露呈する会社の「コトバ」は文化が作るから
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第170回

7月 15日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆会社はボランティアではない

障がい者を一般企業の「障がい者雇用」での採用を目指して支援している者として、企業とコミュニケーションを交わしていると、その発せられたコトバから企業の文化が見えてくると考えている。障がい者雇用という新しい流れに、新しい価値観で対応しているのか、「面倒くさい」と臨むのか、何気ない言葉でもその会社の文化を物語ってしまうから面白い。

知的障がいをはじめ複数の障がいがあり長年就職活動続けながらも採用にこぎつけないある40代の男性が、先日やっとのことで都内の中規模製造業の企業の内定を得た。私も面接に同行し、先方の工場長は「障がい者雇用は初めてだから」としつつ挑戦してみることになった。その男性と私は歓喜しつつも、男性の障がい特性として新しい環境への不安や、説明が分からなくなると何もできなくなったりするから、初日を何とか乗り切り、特性を知ってもらいながら定着させていこうと考え、就業初日に向けて何度も「分からなかったら、聞く」などのアドバイスを繰り返した。 記事全文>>

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日本とタイの産学連携の試み ―中間報告―
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第147回

7月 12日 2019年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

「イノベーション(技術革新)を起こす企業家の創造的破壊が、経済発展の原動力になる」というテーゼを導き出したのは、20世紀の偉大な経済学者であるオーストリアのヨゼフ・シュムペーターである。マルサスの均衡論をベースとしながら、「イノベーションがなければ、いずれ取引価格は利潤ゼロの世界に収れんする」として、この視点から企業資本主義の限界を考え、不況メカニズムを分析した。シュムペーターはイギリスのジョン・メイナード・ケインズと並び20世紀を代表する経済学者であるが、残念ながら現代の主要な経済理論とはなっていない。むしろシュムペーターの理論は、彼の友人の息子で同じウィーン出身の経営学者ピーター・F・ドラッカーに引き継がれていった。

ドラッカーは彼の幾つかの著作の中で「いかにして技術革新が起こってきたか?」を分析している。ドラッカーによれば、技術革新を起こすためには「人口動態」や「技術の変遷」などに注意を払う方法がある。しかし私が特に気に入っているのは「あとから考えれば『なんだ、あんなことか?』と思うような、簡単な発想の転換が技術革新の大半である」という彼の分析である。

こうした技術革新を起こすためには異業種、異分野の人間が集まり、積極的に意見交換をしていくことが望ましい。こうした信念で私はバンコック銀行日系企業部の顧客を巻き込んだ幾つかの私設部会を開設し、定期的に会合を開いている。「観光部会」や「新技術部会」など現在五つの私設部会があるが、この私設部会の中でかなり苦戦を強いられているのが「産学連携部会」である。前置きが長くなったが、今回はこの産学連携部会での試みと、自分なりにわかってきたことを紹介したい。 記事全文>>

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社員のよくある不正を未然に防ぐための対策
『実録!トラブルシューティング』第68回

7月 11日 2019年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、最近特にご相談が増えてきたお金の取り扱いに関するトラブルの事例とその対策についてご紹介します。

まずは事例①です。

タイで店舗展開を広げている日系企業のお客様の事例です。店舗のレジが毎日の集計時に計算が合わないことが多くありました。従業員Aから、同僚の従業員Bが現金を盗んでいるとの社内通報があり犯人の目星はついたのですが、レジには監視カメラも設置されておらず犯行時の物的証拠はありません。結局おとがめなしとなりました。 記事全文>>

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効果ない韓国への経済制裁 日本は振り上げた拳をどう下ろすのか
『山田厚史の地球は丸くない』第142回

7月 05日 2019年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本が韓国に貿易戦争を仕掛けた、と見られても仕方がない。政府は4日から韓国に輸出する半導体などの素材3品目に厳格な輸出手続きを課した。3品目は化学品で、電子部品などハイテク機器に必要な素材である。この措置で輸出手続きに約3カ月かかり、韓国の電子産業への影響は避けられない。日韓でこじれた「徴用工問題」で日本側が発動した事実上の制裁措置だ。政治対立を貿易に絡めたことに「自由貿易に逆行する」という批判が海外からも上がっている。 記事全文>>

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なぜ「構造要因で、6割の地銀が最終赤字に」は曲解なのか
日銀試算が示唆する異次元緩和の深刻な帰結
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第12回

7月 03日 2019年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

日本銀行が「金融システムレポート」2019年4月号で、銀行の中長期収益シミュレーションを行っている。結果は、「借入需要減少ケース」で、約6割の国内基準行(主に地域銀行)が10年後に最終赤字に陥るというものだった。

これを受け、多くのメディアが「構造要因で、地銀の6割が最終赤字に」と報じた。だが、これを構造要因とするのは曲解である。

地銀が深刻な状態にあることは間違いない。手をこまぬいているわけにはいかない。しかし、今回の日銀の試算結果が示すのは、むしろ異次元緩和の帰結である。多少技術的になるが、理由を考えてみたい。 記事全文>>

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タイに負けた日本の国際競争力
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第146回

6月 28日 2019年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

「日本の競争力、30位に低下。IMD調べ 今年。97年以降で最低」。その記事は5月22日付の日本経済新聞の夕刊にひっそりと掲載された。日経よると、スイスの有力ビジネススクールIMDは28日、2019年の世界競争力ランキングを発表。日本の総合順位は30位と前年より五つ順位を下げた。また前年1位だった米国が3位に転落した。記事はトランプ大統領の施策が米国の順位後退に影響を与えているかのようなニュアンスで書かれており、日経からは米国の順位交代の印象が強かった。

「日本はまだ大丈夫だ」という慢心

かねて日本の国際競争力低下を憂いている私は、「またか!」という感覚で、特にこの記事を強く意識しなかった。ところが翌日、タイの英字紙バンコクポストの1面に、「タイの国際競争力が63カ国中25位に上昇した」との記事が掲載された。「ちょっと待てよ!」と思いながらバンコクポストを読むと、前日の日経の記事と同じIMDのレポートに関する記事であった。タイはIMDの国際協力比較において、韓国の28位、日本の30位よりも上位の25位を獲得したとのことである。日本の国際競争力はなんと、私が現在住んでいるこのタイに負けてしまったのである。正直、私は驚きを覚えた。確かに私が住んでいるこの20年の間に、タイは急速に成長を遂げてきた。しかし私が恐れていたこの事態が、まさかこんなに早く起こるとは思ってもみなかった。

早速インターネットで関連記事を探すと、5月28日付の日経ビジネスで「日本の国際競争力が30位―から見えてくる経営者の、危機感」という記事を発見した。長くなるが正確を期すために日系ビジネスの記事をそのまま引用させてもらおう。 記事全文>>

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就業規則に書かれていない事態にどう対応するか
『実録!トラブルシューティング』第67回

6月 27日 2019年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、通常の就業規則には明文化されていないため対応しきれない、予想もつかなかったモラル違反に関するトラブルについてご紹介します。

まずは事例①です。
これは小売・サービス業のお客様の事例です。店頭でタイ人社員同士によるいさかいがあり、お客様のいるところで口論を始めてしまいました。当然のことながら、店舗としては大変なイメージダウンとなりますが、現在の就業規則では
こうした事態には対応できません。

このケースでは、業態に合わせた細かな罰則規則が必要となります。 記事全文>>

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データ論の準備(3)全体構想
『住まいのデータを回す』第20回

6月 26日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

筆者のライフワークとなるかもしれない「データ論」にむけて、(1)目的、(2)方法、そして今回の(3)全体構想と準備を進めてきた。次回は(4)問題設定となる予定だ。「データ論の準備」は、本シリーズ「住まいのデータを回す」のまとめでもある。長々と20回もまとまりのない文書を書いてきたけれども、もし「データ論」が書かれることがあるとすれば、それは筆者のライフワーク「薬物作用の個体差」からの決別でもある。「データ論」が書かれる舞台は「文学部数学科」になるだろう。そんな気楽な「屋台村的」な夢物語を「住まいのデータを回す」第22回で最終回にできることを楽しみにしている。

データ論の目的を、機械文明の限界を乗り越えて、データ文明が開花するための技術思想を模索しながら、現状では解決の見込みのない問題群に「データ」技術によってアプローチすること、と要約してみた。その近未来の技術思想を「データサイクル」と命名している。データ論の方法は、「データサイクル」という技術思想を、明確に理解できるようになるための方法だ。自分自身が理解できていないことは仕方がないとして、人類未踏の問題にパソコンだけで挑もうとしている。数学の自由に勇気づけられながら、ランダムなウイルスのありかたを解析するための方法でもある。ウイルスはデータとして生きている。ウイルスとの「共存・共生・共進化」は、データとの「共存・共生・共進化」でもある。

生きものにとっての個体差は、個体差の表現であって、自分自身の生活の場を表現している。生活がデータ化されるとき、ウイルスの生活環のような、とめどもない多様性を、生活のデータから、どのようにして発見することが出来るのだろうか。このような問題設定にみちびかれる全体構想についてまとめてみたい。 記事全文>>

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