山口行治(やまぐち・ゆきはる)

「みんなで機械学習」するために、jamoviとjaspというオランダ・アムステルダム生まれの無料兄弟ソフトを紹介している。CAPDサイクル2回転目では、大量の特許データをインターネットから無料で入手してみた。筆者の仕事では、高価な統計解析ソフトと、貴重な臨床試験データを用いているけれども、無料であっても、機能や価値は劣っていないどころか、技術的には最先端でもある。有料サービスでは、デジタル技術の進歩に追いつかないのだ。一時代前のGAFAのサービスであれば、無料サービスでユーザーを獲得し、時代を先回りして、最終的にはゴッソリと利益をあげた。GAFAも超大型企業となり、社会的責任が問われ、規制が強まった。それでも、AI(人工知能)技術の進歩は止まらないので、社会の仕組みそのものを変えないと、無料サービスの利益を社会に還元できなくなる。「みんなで機械学習」して、技術や大量消費が生み出した数限りない社会的課題を、気長に解決してゆきたい。
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