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日銀総裁は貧乏くじ?
雨宮副総裁は火中の栗を拾うのか
『山田厚史の地球は丸くない』第231回

2月 10日 2023年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日銀の黒田総裁の後任人事が大詰めを迎えている。日本経済新聞(2月6日付電子版、7日付紙媒体)に「雨宮副総裁に打診」という記事が載った。いつ、だれが、どのように打診したか具体的な事実は書かれていないが、岸田首相に近い人が雨宮氏に意向を聞いた、いう。どんな反応だったのかも書かれていない。

こういう曖昧(あいまい)な記事は「観測気球」と呼ばれる。「次の総裁は雨宮正佳副総裁ということに異論ある方はいますか」と、関係者に探りを入れる政治的リークである。反応によっては候補者を差し替える。政治の世界では珍しいことではない。 記事全文>>

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岸田はフナザムライ?
定見なき首相の暴走
『山田厚史の地球は丸くない』第230回

1月 27日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「鮒侍(ふなざむらい)」という言葉を、エコノミストの浜矩子(はま・のりこ)さんから聞いた。

フナはコイのように悠々と泳ぐサカナではない。狭いところで、あっち向き、こっち向き、せわしく、ちょろちょろ。そんな泳ぎ方から「定見のない役職者」をフナザムライと言うらしい。仮名手本忠臣蔵では、高家旗本の吉良上野介(きら・こうずけのすけ)に「フナじゃ、フナじゃ、フナザムライじゃ」と罵倒(ばとう)された赤穂藩藩主の浅野内匠頭(あさの・たくみのかみ)がブチ切れて松の廊下で……。

浜さんは「岸田首相は典型的なフナザムライです」と言う。

攻撃用ミサイル配備とか、敵基地攻撃能力とか、乱暴なことを「被爆地ヒロシマの政治家」と言いながらやる。

金持ち増税である「金融資産への課税」を主張していたのに、金持ちが喜ぶ「資産倍増」に変わった。

「軍事費倍増」を打ち出しながら、今度は「異次元の少子化対策」に看板を変える。この「定見のなさ」はなんだろう、とモヤモヤしていたが、「そうか、フナザムライなんだ」と思い至ってスッキリしたという。 記事全文>>

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国民の命を危うくする同盟
米の対中戦争で日本は最前線
『山田厚史の地球は丸くない』第229回

1月 13日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

ワシントンで13日(日本時間14日未明)開かれる日米首脳会談に先立ち、両国の外相・防衛相による日米安全保障協議委員会(2プラス2会合)が開かれた。これまで積み上げられたこととはいえ、日本の国民の命を危険にさらす「方針転換」が決まった。中国を「最大の戦略的挑戦」つまり「安全保障上の敵国」と規定し、日米が一体となって軍事的に対処することを約束したのである。 記事全文>>

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黒田日銀の敗北
『山田厚史の地球は丸くない』第228回

12月 23日 2022年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日銀は、長期金利の許容幅を1±0・25%だったのを1±0・5%に拡大することを決めた。新聞各紙は一面トップで「日銀が金融政策を修正」(朝日新聞)などと大きく報じたが、一般の人には、なんのことかさっぱりわからないのではないか。

この決定は、日本が「アベノミクス」と呼ばれた異形の経済運営に見切りをつけたことを意味する。

強いて言えば、覚醒剤患者が「ヤクをやめたい」と言い出したようなもので、このまま進めば身を引き裂く苦難が待ち構えている。「いつかはやめなければならなかったこと」(政府高官)ではあるが、再生への苦痛に政治家や人々は耐えられるだろうか。来る年は、その決意が問われるだろう。 記事全文>>

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独立性と公共性、NHKはBBCになれるか
『山田厚史の地球は丸くない』第227回

12月 09日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本放送協会(NHK)会長に元日銀理事の稲葉延雄氏が就任する。記者会見で「不偏不党、公平公正な報道を確保するNHKの使命に近親感を覚えている」と語った。「政権寄り報道」が目立つNHKで、「不偏不党」という当たり前のことを敢えて口にする総裁が現れたことは画期的である。

現会長の前田晃伸氏は元みずほファイナンシャルグループ社長、2代続いてNHK会長に金融界出身者が就いた。この2人には馴染みがある。経済記者として金融担当をしていた頃、前田氏は富士銀行の企画部次長、稲葉氏は金融政策を担当する企画課の課長補佐だった。2人とも銀行の将来を担う要職にいて目立つ存在だった。前田氏は経営トップに寄り添い、大蔵省との間をつなぐ立ち回りの上手な銀行マン。1979年、埼玉県の春日部市で富士銀行員が取引先である夫婦を殺害した事件が起きた時、窮地に立った頭取を前面に出さず守り切ったことで「危機に強いやり手」との評価を固めた。 記事全文>>

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安保大改定+防衛増税 ならば解散して民意問え
『山田厚史の地球は丸くない』第226回

11月 25日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「法人税」の文字が消えた。「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の最終報告書から、原案に増税の候補として挙げられていた「法人税」が落とされた。自民党や経済界から「名指しの増税」に異論が噴き出し、首相官邸の意向を踏まえて修正されたという。圧力がかかれば表現を緩める。その程度の「都合よく使える有識者」の集まりだったことが分かってしまった。

国力と防衛力を総合的に考えてもらう。そのために見識ある人を集める、というのが有識者会議の趣旨。研究者、官僚、マスメディア、金融などの分野で功成り名を遂げた10人の知恵が提言としてまとめられる、という建前だった。

安保政策を転換する、防衛予算を増やす、そのために増税をする。嫌がられることを直言できるのは「有識者」だから。賢者だから厳しいことも言える、という権威付けがあった。

ところがどうだ。法人税を増税項目の一つとして例示したことが反発を受け、最終日の取りまとめで外してしまった。増税は、「幅広い税目による負担」という抽象的な表現にとどまった。 記事全文>>

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密室の有識者会議 「あやつり劇場」で決まる防衛増税
『山田厚史の地球は丸くない』第225回

11月 11日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

11月10日付の朝刊各紙に「防衛費財源、増税論が大勢 有識者会議」(日経)と伝える記事が一斉に載った。「増税論が大勢」(共同)、「増税を念頭に」(産経)、「復興増税を参考に」(朝日)――。首相官邸で9日開かれた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の議論を伝えた記事。岸田首相の肝いりで始まり、安保情勢の変化に伴う防衛力の強化をどのような観点から進めればいいか、「有識者」の声を聞く会議という位置付けだ。 記事全文>>

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危うし日本の自動車産業-中国に頼るトヨタのEV
『山田厚史の地球は丸くない』第224回

10月 28日 2022年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

トヨタ自動車は、中国市場に投入する電気自動車(EV)を中国の新興メーカー、比亜迪股份(BYD)と共同生産すると発表した。「トヨタともあろうメーカーが、なぜ中国企業の手を借りるのか」と思った人は少なくないだろう。テレビCMで16車種のEVをずらりと並べ、豊田章男社長が豊富なラインアップを誇ってみせるトヨタが、あろうことか、中国メーカーとなぜ「共同開発」しなければならないのか――。

こうした感覚は、どうやら今や時代遅れになったようだ。コロナ感染で日本人が海外へ出る機会を失ったこの2年間、世界の自動車事情は激変した。いずれ訪れるだろうが「ずっと先の話」と考えていた「自動車のEV化」が、目前の課題となって迫ってきた。 記事全文>>

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「村上処分」その前にすべきこと-自民衰退を映す「異論抹殺」
『山田厚史の地球は丸くない』第223回

10月 12日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「私に言わせりゃ国賊ですよ」。安倍晋三元首相を語ったひと言で、自民党衆議院議員の村上誠一郎氏が党内で窮地に立っている。10月12日には党紀委員会が開かれ、「役職停止1年」という「処分」が下された。旧統一教会との深いつながりばかりか、「安倍政治の功罪」に触れないまま催された国葬に異を唱えた村上氏。「役職停止」とは、村上氏が正論を展開する舞台にしてきた党総務会への「立ち入り禁止」を意味する。口封じのような処分に、懐の深さを失った自民党の姿が見える。

◆「国賊発言」の発端

村上誠一郎と安倍晋三。ほぼ同世代、政治家一族に生まれ、若くして政界に出た。村上は1952年生まれ、当選12回、安倍は54年生まれの当選10回。源流をたどると、村上は石橋湛山、安倍は岸信介である。戦後の保守政界で首相の座を懸けて激突したリベラル・右派の政治思想が、70年の時を経て「国賊発言」の背後に漂う。 記事全文>>

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安倍亡き後も安倍路線-国葬後の岸田政権
『山田厚史の地球は丸くない』第222回

9月 30日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

故安倍晋三氏の国葬が9月27日に執り行われた。隠然たる力を退任後も誇示していた「安倍支配」は、騒然たる賛否を巻き起こした国葬で終わった。最大派閥である安倍派も空中分解がささやかれている。そうはいっても安倍政治は、まだしばらく岸田政権を縛りそうだ。専守防衛を蹴散らす防衛力の抜本的強化、新型小型炉開発を含む原発再稼働、インフレ放置の金融緩和継続。元首相が先鞭(せんべん)を付けた暴政は、岸田政権によって実行へと移される。 記事全文>>

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